ボルドーにて 3

ひきつづきラ・ブラッスリー・ボルドレーズのメニューより。

 

ボルドー地方の郷土料理のひとつとされる八ツ目鰻の赤ワイン煮込みです。

日本で鰻と言えば当然蒲焼き!ですし、

何もワインで煮なくてもねぇ。。。といった感もあり、フランス人の友人からも「う〜ん、あまり美味しくないです。日本の鰻のが美味しい。」と言われておりましたし、「ちょっと泥臭いような・・」といったコメントも耳にすることもあり。。。

 

とはいえ、例えば日本ソムリエ協会の教本などには地方の代表料理として載っているわけですし(八ツ目鰻のボルドー風)そして定番の組み合わせとしてサン・テミリオンやポムロールの赤ワイン、なんて書いてあるわけですから、実は本当はもっと美味しいのではないか、と期待もあるわけです。

 

そんなことをぶつぶつ言いながらメニューを眺めて逡巡し、

また意外と高価なんですよ、このメニュー。38ユーロ!

 

だって例えばタルタルステーキが18ユーロ

アントルコーテの450gステーキは25ユーロ

牛ヒレ肉とフォアグラのポアレだって32ユーロ

 

ちょっと牛から離れましょうか。

 

例えば鶏肉のローストは19ユーロ

鴨肉のグリルは21ユーロ

ね?

 

これで失敗したらと思うと、ちょっと不安ではないですか。

 

まあ、前置きが長くなりましたが、

そんな想いで待つことしばし。

目の前にきた鰻の赤ワイン煮込みは、

一見牛肉の煮込みのような趣き。

 

ぶつ切りのようにカットされた鰻はかなり太めで、

そうですね、イメージ的には鯖を筒切りにしたような。

 

おそるおそる口に運ぶと、

よしっ、生臭さや泥臭さはないかも!(まずそこ、大事です)

食感は魚というより肉に近い感じで

牛頬肉とかのような、ボソッとくずれるような質感です。

 

あ、平気、平気。これならいける!

というより、鰻という認識がなくこんなに構えて食べなければ

素直に美味しい料理です。

赤ワインソースがたっぷり入っていてパンにつけて食べても

するするとワインが進みます。

 

ちなみにこちらのお店ではサン・テミリオンの赤ワインを使って煮込んでおり、メニューにも表記されています。

なのでワインはもちろんサン・テミリオンで。

一体感はさすがです。

 

 美味しいですし、貴重な体験。

でも、でも、やはり鰻なら蒲焼きのが嬉しいかな、

と思ってしまった日本人なのでした。