なんだか食べてばかりのようですが、ちゃんと試飲会にも行ってまいりましたよ。
ボルドー120の蔵元が集まるユニオン・グラン・クリュ・デ・ボルドーの試飲会です。毎年5月のこの週末は試飲会だけでなく、各エリアごとのシャトー巡りツアー、ディナーパーティやカクテルパーティー、ゴルフツアーなど様々な催しが開催されます。
今回は2011年ヴィンテージがこの試飲会のメインヴィンテージ。
あとは各蔵元それと比較して欲しい(もしくは単に提供できる数があるから?)その他のバックヴィンテージをもうひとつ用意するのがきまりです。
そのもう一つのヴィンテージで何を出してくるか、というのは
それぞれ意向や意気込みが感じられて面白いもので、
敢えて全く違うタイプのヴィンテージで比較させるシャトーがあれば、
近いタイプのヴィンテージを用意するシャトーもあります。
そのあたりの意向は蔵元の方の対応ですぐ判るものです。
さて2011年ヴィンテージ。
あくまで私の感じたことではありますが、
サン・テミリオンやポムロールといった右岸、
もしくはグラーヴ、ペサック・レオニャン、ムーリ、リストラック、
そしてソーテルヌやバルザックといった
左岸でも南側が現時点ではバランスが良く感じました。
2011年の左岸の白ワインに関してはすっきりとした、
しかし過度に華美に走ったり神経質すぎたりしない
良いワインではないでしょうか。
甘口ワインもけっして大きなボディではありませんが、
酸味もしっかり残したうえで、フレンドリーな味わいだと思います。
しかし
赤ワインが、全体的にちょっと難しい年でしょうか。
総じて小ぶりで、それ自体は悪いことではないとしても
かつ造り手によっては果実味や密度に欠けた、痩せた味わいが気になるワインも少なくありませんでした。
そんな中でも自分が良いと思った赤ワインの共通項を考えると、
現時点ではメルロー比率が高いほうが果実味や酸味のバランスがとれているように感じます。よって上記のエリアのわけです。
なのでサン・テステフでもメルローの比率が高いシャトーは、
小づくりながらもバランスのとれた仕上がりだと感じました。
とはいえ、熟成したらばどうなるか判らないのがワイン。
やはり難しいと言われた2004年や2007年なども
熟成を重ねた今、良い造りのものは、大柄ではないものの、
静かに上品な佇まいをみせていたりもするのですから。
そうそう、昨年も参加したのですが、
昨年との違いで気がついたこと。
今年は明らかに中国、韓国の方の参加が少なくなりました。
というより、昨年は多かったのなんの。
会場の至るところから中国語と韓国語が聞こえてきたものです。
やはり聞きしに勝るこの状態。。。と驚いたもの。
でも今回はあまりの少なさがかえって気になるほど。
そのせいか、会場全体の混雑具合も昨年より緩和されています。
昨今中国市場でのフランスワインの消費量、特にボルドーワインの消費量が前年度に比べて減少傾向にあると報道されていますが、
その現象を如実に見た思いでした。
それにしても
いつも不思議なのですが
ボルドーの造り手さん達って、
だいたいこちらが日本人であるとすぐに判りますね。
向こうから「日本人ですか?」と聞いてきたり、
それこそ「こんにちは!」とか「ありがとうございます!」
と言ってくださったり。
一応こちらはフランス語で話しかけているのですが。。。
例えば私達がフランス人とスペイン人とイタリア人
はたまたベルギー人とかドイツ人とかを見分けているようなものですから、すごいなぁ、と。
まあ、彼らにしては日本市場というのは中国市場や韓国市場よりも長いお付き合いですから、なんとなく仕事柄判るのかもしれません。
しかし何を根拠に「この人は日本人だな」と判断しているのか、
いつもとても気になります。
聞けないけれど。。。
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