ウニコ1965

よく色々な方に「一番好きなワインはなんですか?」との質問を受けますが、それはちょっと無理ですよ、答えるのは!一番なんて決められないです〜!と答えています。いや、無理ですって、それにお答えするのは。選べませんもの。次に多い質問が「今まで飲んだワインで忘れられないワインはなんですか?」でしょうか。そんな時私の頭の中にはいくつかのワインが去来するのですが、あまりマイナーなワインを言っても伝わらなかったら「ふ〜ん。。。」以上終了、で質問くださった方の期待感を潰してしまうのも心苦しいように思うわけで。なのでその中からなるべくメジャーなワインを、聞いてくださった方がご存知でありそうなワインをお答えするのですが、そんな時に時々お答えするひとつが「数年前に飲んだウニコの1970年です」なのです。

その時のウニコ1970年は自分の目の前に「あるイメージ」が一瞬にして広がり、その瞬間時間の流れすら変わったような衝撃を受けました。

それ以後、いくつかのウニコをグラスで試飲する機会に恵まれましたが、その時と同じ、ないしはその時を超える衝撃は未だ体験していません。

もちろんその1970年ですら、もし今抜栓したらまた違う味わいなのだと思います。本当にワインは一期一会なのですね。


さて、とある居酒屋さんに何故かあったこのウニコ1965年を、

ちょっと奮発して昨日頂いて参りました。

ラベルはボロボロですが、ボトル内の液面は意外に高く、ボトルを透かしてみてもあまりオリは見られませんでした。

しかしコルクは半分より下はだいぶ柔らかくなっていたようで、お店の方が抜栓する際コルクが折れていました。(後から思えば勉強のためにも抜栓させて貰えば良かったと後悔)

色合いは明るい華やかなルビーでエッジがオレンジがかっている状態。

明らかに想定していたより若々しい色合いでした。

そして香りも味わいも、とても49年経っているとは思えない果実味がまだまだ残るものでした。もっと熟成とともに現れる腐葉土やトリュフのような香りを期待したのですが。。。う〜ん。。。

少なくとも今まで飲んだウニコの雰囲気とは全然違うものでした。

さらさらと流れるように飲めてしまう感じなのです。

こういうスタイルのヴィンテージなのでしょうか?それとも?

こんな時本当にワインというのは難しく、不思議な飲み物です。


そんな悩ましいクリスマス・イヴを過ごした今年なのでした。

皆さんはどんなワインでクリスマスを過ごされたのでしょうね。