熟成オーストリアワイン

フランスから戻ってすぐに、オーストリア大使館で行われた試飲会に参加してきました。

なので、フランス報告の前にまずはこちらから。


写真なんだか地味なのですが、あまりの人の多さに、良いと思ったワインのボトルはおろか、写真を撮ることすら難しい状況でした。なので、ここでは横で冷やしていたボトルだけですが、実際には1階、2階のフロアを使い、全部で43種類のワインが並びました。今回のテーマは熟成オーストリアワイン、ということで、これは非常に珍しいことです。オーストリアは基本的に早飲み、ホイリゲ文化ですから、本来あまり熟成という観念がないお国柄。従って、市場で販売されているのを見かけることはまずありません。


今回は、フランツ・ヒルツベルガー、ピヒラー、ユルチッチ、テメント、ヴェーニンガーなど、日本でもメジャーなオーストリアワインの造り手のワインの、主に2001〜2003(2004も少しあり)が集まりました。

地域によって、ヴィンテージによって、しっかりとその特徴が出ているのは大変興味深かったですし、これだけの造り手を比較試飲出来ることもなかなかありません。


基本的にオーストリアワインの白は果実味とアルコールによるボディがしっかりとしているものが多いように思いますが、こういったワインは年月を重ねても、意外と熟成の進みが遅い、別の言い方をすれば変化が大きくないような気がします。とはいえ、もちろん熟成感がないわけではないですが。


今回とても良いと思ったワインはいくつかあり、

例えばピヒラーのリースリングMスマラクト2001。熟成とともに酸と甘味のバランスがとれてきて大変甘美。余韻も長く続きます。

あとテメントのソーヴィニヨン・ブランが個人的にはとても良かった。

特に2004年は上品な酸味を併せ持ち、それでいてつんと澄ましたところがなく明るさがあります。

フランツ・ヒルツベルガーでは、高価なラインよりも意外に良かったのはヴァイスブルグンダー・エメラルド・スマラクト2002。伸びやかな酸、妙な重さもなく、艶やかでエレガントな果実味です。


いずれかの機会に、これら熟成ワインを含めたオーストリアワインの会をしたいと思っておりますので、楽しみにしていてくださいね。