アルザスへ

ボルドーからはパリを経由してアルザスへ。アルザスと言えばヴォージュ山脈、なわけですが、そのイメージが強いせいか、アルザスってとても大きな山々が連なり、山間地にあるのではないか、というイメージありませんか?しかし実はアルザスは平野部が多いのです。

この写真の遠くに見えるのがヴォージュ山脈。裾野に村々が点在しています。ストラスブールからぶどう畑が広がるヴォージュ山脈の麓へは、車で西に進んでいくことになりますが、市内からの高速道路を降りてからは、ヴォージュ山脈を目の前に見ながらひたすら平地を走ります。それがこの写真の風景です。


ヴォージュ山脈は標高1400mほどの山々なので、決して低くはないのですが、こうやって見ると意外と小ぢんまりと見えます。そしてなんといっても特徴は、裾野までは傾斜地ですが、そこから急に完全な平地になっているところ。斜面と平地の境界がはっきりしており、そして下部は見渡すかぎりの平地。だだっ広い平地のジオラマのなかに、中程度の大きさの山の模型をぽん、と乗せた感じです。(あくまでアルザス側から見た風景が、です)もちろん、グラン・クリュと称される畑は、山の裾野の傾斜地にあります。しかし写真のように、全くの平地にもぶどう畑はあります。

 

アルザスで現在プルミエ・クリュを作ろうという動きが出ているようですが、なるほど、これはなかなか難しそうです。ブルゴーニュのように緩やかに長く続く傾斜地であれば、その斜面の中程の一番よい場所をグラン・クリュ、そしてその上下をプルミエ・クリュに、というように設定することが可能ですが、アルザスではぶどう畑に適している斜面の部分の上から下までの距離がさして長くないわけです。

当然現在グラン・クリュであるところは、プルミエ・クリュに格下げなんてもっての他でしょうし、とすると新たにプルミエ・クリュとして認定するわけですが、もちろん平野部というわけにはいかないでしょう。

とはいえ縦に長いアルザスですから、村によっては地勢も変わり、プルミエ・クリュを作る意義もあるのかもしれません。

今後の動きが興味深いですね。