ニューヨーク州のリースリング

ちょっと油断するとまたもやブログ更新に随分と間が空いてしまいました。本当に我ながら困ったものです。6月の上旬にはまた渡仏が控えているので、とりあえず頑張っていくつかアップしたいと思います。

 

写真はニューヨーク州フィンガーレイクスのリースリング、サーモン・ラン2013。先月、リースリングリングが主催するリースリングの試飲会に参加してきました。まずは個人的に今興味があるアルザスのリースリングを中心に試飲していたのですが、それにしてもアルザスやドイツのリースリングって、料理無しで飲んでると結構しんどいものです。どれもこれも骨太で強烈な酸があり、基本的にストイックでシリアスな味。しかもちょうど夕食前の空腹時でしたから強靭な酸が胃をもろに直撃。アルザス&ドイツを一通りし終わる頃にはなんだか胃がシクシクと痛くなってきて、なんだか修行僧のような気分になっておりました。

そんな時にふと目に入ったのがこのワイン。ニューヨーク州でワイン造りしていることは既に何年も前から聞いてはいますが、なかなか飲む機会はないものです。アメリカのワインですと、やはりカリフォルニアやオレゴン、ワシントンが目にする機会も多いですしね。青いボトルと変わったネーミングが目を引いて、痛む胃をさすりながらついつい試飲。あっ、いいじゃんこれ!と。酸は豊かながらこなれており、全体にしっとりと優しい印象。一般的にイメージするリースリング(というと、やはりアルザス、ドイツなのですが)のように口の中でずぎゅーん!と立ちあがる酸では無いのです。

そして故にそれまでのアルザスやドイツのようなシリアスさは無く、明るい印象。晴天の空の下バーベキューでもやって、シーフード類に合わせてごくっと飲んだらいい気分だろうな。。。というような感じです。

 

そんなこんなで、非常に印象的だったフィンガーレイクスのリースリングだったのですが、なんと昨夜いつもの仲間とのワイン会でもフィンガーレイクスのリースリングが出たのです。造り手は別なのですが。いつもながらまずはブラインドで楽しむのですが、持参した方以外の参加者の印象は「リースリングだと思うんだけど、、、なんか優しい。」「そうそう酸がゴツくないよね。」「でも産地どこだろう。。」「アルザスでもドイツでも、オーストラリアでもニュージランドでもない味。」その優しさやしっとりさから「日本では?」という声も。そうしたらなんとフィンガーレイクスのリースリングだったわけです。この日はお寿司屋さんにワインを持ち込んでの会でしたが、お造りからお寿司までネタを問わず万能なワインでした。よくリースリングは魚介類に合う→寿司に合うみたいに言われることが多いのですが、私は常日頃アルザスやドイツのリースリングの場合、「必ずしもそうとは限らない」と思っています。ワインの方が強くなってしまうことが多いからです。しかしフィンガーレイクスのリースリングは酸においても果実味においてもキツさがなく、さらにしっとりとしているのでぴったりだと思います。

そしてシリアスでもなければ、賑やかな主張が強すぎないのもポイント。気持良い食事の場を作ってくれるワインです。

フィンガーレイクス、他にも色々試してみたくなりました。