小樽に宿をとった翌日、この日は札幌方面に向かい、午後からは岩見沢でワイナリー訪問を予定していました。しかし小樽運河ターミナルにあるこちらを知り、せっかくだからと立ち寄った次第です。
いやはや、実はこちらもさほど期待していなかったのですよ、正直。なんとなく場所柄観光客も多多く、なので気に入ったら気軽にお土産に購入できるような、なんとなく北海道らしい西欧寒冷地品種の白中心で、ないしは軽やかで飲みやすい(と一般的に言われるような)ワインが試飲にも並ぶのかな、なんてね。
しかし試飲コースのワインは予想を遥かに超えて良い内容でした。
それは決して巷でなかなか購入出来ないようなレアワインが出る、というよな意味ではありません。北海道では今こんなワインが造られているのです、という地に足がついた視点でのワイン紹介なのです。
ちなみにこの日のラインナップ。
スタンダードワインコース 試飲料1080円
1、北海道ケルナー(小樽)2013/北海道ワイン
2、セイベルH5(2014)/はこだてワイン
3、菜根荘ワイン ナイアガラ2015/マオイワイナリー
プレミアムコース 試飲料2160円
1、ミュラートゥルガウ2014/月浦ワイナリー
2、十勝清舞2012/池田町ブドウ・ブドウ酒研究所
3、バレル・フラノ2013/富良野市ぶどう果樹研究所
ね?渋いでしょう?
確かにこの価格では、ちょっとお土産にワインを探している方が払うにしては高いと感じられるでしょうし、ワインをある程度好きな方、ワインに興味がある方、でないと難しいかと思います。
そういった方々に北海道のワインを知ってもらう、という点において、
これはなかなか北海道ワイン愛に満ちたラインナップではないかと思うのです。他県から、特に都内から北海道のワインというのを眺めた時に、どうしても情報として入ってくる、ないしはよく雑誌に取り上げられるとか、ワインバーで目にするのは、今北海道で注目されているといえば圧倒的にピノ・ノワールというぶどう品種であり、もしくは個人の小規模生産者にフォーカスがされている感があります。しかしそれらは北海道におけるワイン造りという一部分に過ぎません。他の大部分がどのようなワインを造っているのか、それはワイン産地として北海道を捉える意味で大事なことではないでしょうか。
なんてそんな理屈はさておき、
さてこちら北海道ワインセンターでは、試飲ワインと共に担当の方が色々と説明をしてくれます。この日の方はこの仕事に就かれるまで余市ワインで醸造をされていたそうで、専門的な知識も十二分に持っていらっしゃいます。しかしそのうえで難しい話ばかりではなく、北海道のワインについて色々と楽しいお話をしてくださいました。
「意外と思われるかもしれませんが、北海道では醸造の分野においては他のワイナリーとの情報交換や交流が盛んなんですよ。」だそう。
なので他のワイナリーについてもとてもよくご存知です。
さて、この度の試飲で特に印象的だったのが、
写真のマオイワイナリーの菜根荘ナイアガラ。
ナイアガラ特有のともすると青臭い香りはあまりなく、同時にやや酸化的な香りがあり、ナイアガラでこのようなスタイルって珍しい。
興味しんしんで口に運ぶと、香りから予想していたような酸化的な味わいはなぜかあまり感じられず、ドライですっきりとした果実味があります。
手作り感のある自然派ワインという味わいですが、行き過ぎた感じはありません。素直に美味しい。
お料理との組み合わせを考えるのが楽しくなるワインです。
「う〜ん(驚きと美味しさで思わず唸る)とても面白いワインですね。」と言う私に、「そうなんです、香りと味わいに変化がありますよね。これは本当に手造りのワインなんですが、絶妙なバランスで出来上がった感じがあります。老夫婦がお二人で造られているワインなんですよ。」と。
他のワインもそれぞれ発見があり、
改めて北海道におけるワインというものを考えさせられました。
ワインを本当にお好きな方、お薦めです、北海道ワインセンター。
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