宝水ワイナリー

映画「ぶどうのなみだ」の撮影が行われたことでも有名な宝水ワイナリーさんへ。なだらかな傾斜地に自社のぶどう畑が広がっています。

ワイナリーの中も外もぶどう畑も、なんというかとても気持ちの良い空気が流れていて、ついついのんびりしたくなる場所です。

もしレストランでもあって、ぶどう畑を眺めながらワインと食事が楽しめたら最高だろうなあと思うのですが。

しかしレストランはありませんが、ワイナリー入口横にはヴィアグレストという名前のソフトクリーム屋さんがあります。この日はジリジリと太陽が照りつける猛暑日だったこともあり、ひっきりなしに地元の方々が車で買いに来られていました。仕事途中らしき男性も何人か立ち寄られていたくらいですから、地元でも有名かつ人気なのでしょうね。

メニューはとても豊富ですが、やはりワイン好きの目をひくのは「赤ぶどう」と「白ぶどう」のソフトクリーム。

ミルクの風味豊かなソフトクリームに、この日は赤はレンベルガー、白はケルナーのソースをトッピングしたものでした。ぶどうソースは月替りで品種が変わるとのこと。ちゃんと目の前に広がる自社農園より収穫したぶどうで造られたオリジナルソースだそうで、これもまた景色とともに贅沢な気分になります。ほんと美味しいので訪れた際にはぜひお薦めです。

ワイナリー前の自社畑にて、中腹よりやや上の辺りから見上げた写真です。

けっこう傾斜があるのが判りますね。

海底より隆起したエリアで、上部が1500万年、中部が1000万年前頃にできた土壌だそうで(下部を忘れましたスミマセン。しかし中部よりさらに新しい年代になります。)それぞれ土壌の種類も違うそう。上部はこのように黒っぽい土が見えますが、中腹辺りは真っ白なシルト土壌になります。

そしてその中腹辺りが一番ぶどうを育てやすいとのこと。

ぶどうの樹の成長速度もそれぞれ異なり、上部のが2年分くらい早く、収穫量も上のが多いそうです。

また、ワイナリー目の前の辺りは特に良いぶどうが収穫できることが多く、雪の系譜シリーズに使われているのはこの辺りのぶどうだとのことでした。奥の方の森に近いところになると湿度が溜まりやすくなり、また環境が変わってくるそうです。確かにワイナリー目の前の畑の中は真夏日の炎天下でも風がきれいに抜けていっていました。

こちらがちょうど中腹のあたりです。

奥に森が見えますね。

 

それにしても北海道のぶどう畑の広大さには本当に圧倒されます。

本州の、特に畑の持ち主が細かく分かれている山梨などの景色とは大きく異なります。これなら自社畑のぶどうもたくさん栽培出来て、ワインもたくさん造れるんだろうなぁ。

しかし北海道ならでは苦労もあり、やはり冬、そして雪に対する作業が多いのが、北海道でのワイン造りにおける大変なことの1つだとか。

例えばぶどうの樹も1年目くらいだとまだ雪に弱いため、雪がかからないようにして育てたものを切り出して植樹するそう。折れてしまう、ということだけでなく、越冬障害などからも守るためです。

また、収穫後に剪定をしたあとは全てのぶどうの樹を横に倒す作業があるそうです。地面に寝かすような感じですね。一見硬そうなぶどうの樹ですが、毎年行っているのでどれも根本が横に曲がっています。なのでスムーズに倒せるとか。もちろんそうしないと雪で折れてしまうからで、春先にはまた倒した樹を起こす作業があります。

こういった作業が、それも広大な畑全て人手で行われるわけですから、想像するに気が遠くなります。しかも極寒のなか。

一杯のワインがどれだけの時間と人の手をかけて今目の前にあるのか、

日頃つい忘れてしまいますが、改めて謙虚な気持ちになります。

 

話は変わりますが、この宝水ワイナリーさんがある岩見沢や空知では、

生食用のポートランドというぶどうが多く栽培されているとか。

ちなみにケルナーやナイアガラなどは多くが余市で栽培されており、

なので、ケルナーやナイアガラは余市の農家さんから購入している(余市のワイナリーでなくとも)というワイナリーさんが多いようです。北海道くらい広ければエリアによって気候や土壌も大きく異なり、よって向いているぶどう品種も違うのでしょうね。

いや、ほんと、今更ですが大きいですね北海道。。。