名残惜しいながらも金井醸造さんを後にして
(質問に忙しくて奥様の手料理を満喫しきれなかったのが特に・・・)
次に向かったのはシャトー・酒折さんでした。
海外のワイン輸入を行っている木下商事のグループです。また、ぶどう栽培のプロフェッショナルの集まり「チーム・キスヴィン」がこのシャトー・酒折さんのワイン用ぶどうを造っていることでも知られています。
今回は、そのチーム・キスヴィンのメンバーの一人
荻原さんがアテンドするツアーに参加。
これがまた大変に興味深く、面白い内容でした。
(荻原さんのお人柄がフランクでこれまた非常に面白い)
「自分のツアーは皆さんからの質問に答える形で進めています」
という第一声から始まり、ではではと質問をすると
一般的に言われているような定説は見事に打ち砕かれます。
これもまたすべてここに書こうとすると
「シャトー・酒折さん その8」くらいになってしまうので
とりあえず今回は一部分をご紹介。
〜ぶどうの根は地面深くになんか張らない〜
ぶどうの樹は栄養分を求めて地下深くに根を張る。そして地下深くに根を張ることで、その土地のミネラルなどを吸い上げるるので、ぶどうの味わいに反映する。なのでぶどうの根を下に深く張らせるために密植する、云々・・・というのが、よく言われている一般論。
しかし荻原さんのお話は
ぶどうの樹はツル科の植物なので、太陽を求めて上に伸びようとする動きは貪欲だが下は心地よいところで止まろうとする。海外のように地面にある程度近いところに地下水でもあればそこに向かって行くかもしれないが、基本的に地面深くになればなるほど圧力も強くなり酸素も少なくなるので、根は下には行きたがらない。大抵のぶどうの樹は地表から近いところで横に広がっており、そんなに深く根を張るものではない。
とまあ、文章にすると難しく堅い話のようですが、
「だってさ、考えてみてよ、ぶどうは何科の植物?」といった感じで
非常にフランクかつ解りやすく説明してくださいます。
実際にぶどうの樹を抜いてみても、根が下の方まで長く伸びていないし、
海外で栽培に携わっていた方に聞いても、やっぱりないとのこと。
ぶどうの収量の話になれば
「凝縮感?ぶどうの細胞の数は決まってるんだから
太らせたらそれは水分が多くなるってことなんだよ」
う〜ん、面白い・・・
詳しくは荻原さんのブログを拝見されると、
そちらでも根の件などに触れていらっしゃいます。
この日このツアーで試飲したジュエル・オブ・キスヴィン2012。
食用のぶどうだのなんだの、とにかくたくさんの品種を混醸して造られるこのワイン。この年は34種類の品種で造られたそうです。
「品種の比率とか、ある程度決まっていたりするんですか?」と伺うと
荻原さんいわく「決まってるわけがないでしょ、世相とこの年の状況がすべて反映されたワインだよ、これは。だから面白いんじゃない(笑)」だそうで、そう考えると毎年追っかけて飲んでみると確かに面白いかも。
ちなみに荻原さん、
「池川さん(チーム・キスヴィンのメンバー)とかは、丁寧で物腰も優しいんだけど、俺とか馬鹿だの阿呆だの言いながら説明するから・・・」
いやいや、とっても面白かったですよ。
私、笑いっぱなしでしたもん。
ぜひまた勉強させて頂きに伺いたいと思います。
あ、写真。
お話に夢中でほとんど撮っておらず、
この写真はシャトー・酒折の営業部長?「茶々」さんなのでした。
コメントをお書きください