山形のワインが一堂に会するこの日を、毎年心待ちにされている方も多いのではないでしょうか?
今回の発見はこちら、高畠ワインさんの嘉スパークリング・ピノ・シャルドネ。写真右側です。
実は最初たいして期待をしてなかったのですよ、ゴメンナサイ。
ところがまず注がれて色にびっくり、なんとロゼ。
驚きながら口に運ぶと、優しさや瑞々しさがあり安っぽくない味。
よくよく品種を確認すると、シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・ノワール、ピノ・グリ、となんと4つのセパージュで造られていました。(HPには3つになっていますが、ワイナリーの方に伺ったところ)
ピノ・ノワールは十数パーセント程度とのことで、ピノ・ノワールとピノ・グリは混醸されているそうです。心地よい酸味と程よい甘みのバランスが良く、ドライすぎない味わいも好印象。(甘みといっても味わいに適度な厚みを与えている程度で、よく冷やして頂くと気にならないと思います。)これは日本の普通のお食事とも汎用性が高いことでしょう。筑前煮、ちらし寿司(生魚のではなく)、お稲荷さんに干瓢巻き、山菜の煮物や天ぷらなど、ああ、美味しそう。そもそもセパージュも幅広いですから、なおのことお料理には合わせやすいかと思います。
そして綺麗な色合い!これはもうお花見ワインにもってこいではないでしょうか。お値段もなんと二千円以下!お薦めです。
そして山形を代表する家族経営ワイナリーであるタケダワイナリーの岸平典子さんとお話出来ました。
まずは2015年の山形の天候について伺ってみました。
まず2015年は夏までは非常に天候に恵まれていたそうですが、8月から急転直下の雨模様に。それまで順調に実をつけていたぶどうも水ぶくれになったり病気が発生したりと、もう最悪でした、だそうで。
なのでそれ以降収穫のぶどうはとても苦労しましたが、逆に言うと収穫の早いデラウェアは最高の出来ですよ、とのこと。山形はデラウェアの栽培量日本一の県ですから、それは重要な事でしょうね。
あと、デラウェアについて興味深いお話がありました。
タケダワイナリーを代表するワインのひとつ、
サンスフルシリーズの白ですが、こちらもデラウェアで造られています。
岸平さんによると、デラウェアは数年熟成させると面白いそうで、
毎年サンスフルの白を購入されるあるお客様からも、3年くらいおいておくと熟成感がでて美味しい、というお話があったとか。
う〜ん、いや、普通飲んじゃいますよ、サンスフルの白ですよ?
気軽に美味しいあの味わいを3年もとっておくなんて、
そんなことが出来る奇特な、いや、なんて我慢強い、こんなサンスフル愛に満ちたファンがいるとは、さすがタケダワイナリーです。
ほんと、こういうことが出来るのは、そのワインに余程愛情がないと難しいのはよく解ります。だって普通は好きならやっぱり飲みたくなるし、そこを堪えてセラーにおいておくのは、熟成したその姿に出会いたいからに他ならず、しかも、しかもですよ、セラーのスペースというのは当然限りがあるわけで、ワインが好きな方なら当然他にもワインを色々買われるわけで、数年とっておくスペースを確保するのもこれまた愛ですよ、ほんと。
なんて、どうでもいい余談が長くなりましたが、ともあれさらにデラウェアの熟成に関するお話は続き、あの甘口のアストールもデラウェアから造られているのですが、岸平さんいわく、こちらもデラウェアが熟成した時のとろりとした蜂蜜のような感じを出したいので、これ(2009年ヴィンテージ)は6年瓶熟させてからリリースしています、だそう。
うわぁ、それはすごい!それだけ時間も手間もかけられていて、ハーフボトルとはいえ2000円ですよ。
今までついつい早飲みしてしまっていたデラウェアですが、
いくつか熟成、試してみようかな。。。
もちろん、まずはタケダワイナリーさんのサンスフルで。
下の写真は高畠ワインさんのスパークリング嘉ピノ・シャルドネです。
ね?ほのかなピンクが良いでしょう?
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